South Poleはネスレと共にネット・ゼロ・ロードマップ策定の支援に取り組むにあたり、2つの課題に直面した。
第一に、最善の科学に整合させた排出量削減目標と削減の可能性を元に、ネスレの野心をどこまで高めることができるか。
第二に、ネスレのコーポレート本部にとどまらず、すべてのブランド、市場、主要事業部門を網羅し、変革を推進する具体的なネット・ゼロ・ロードマップの策定と展開について、どのような支援が、South Poleから提供可能となるか。
はじめに、ネスレの2018年のスコープ3排出量の再評価を行った。主要な排出源すべてのバリューチェーンのステークホルダーとネスレの主要原材料を評価し、バリューチェーン全体に沿って企業レベルで実施した。その後、企業内のアカウンタビリティを確保するために、地域、市場、ビジネスユニットごとに細分化した。
ネスレの目標は、温室効果ガス排出量の算定範囲を、トウモロコシからカカオまで、すべての原材料を含めたサプライチェーンを上流にまで拡大させた初のグローバル企業になることであった。
ネスレは科学的根拠に基づき、1.5度シナリオに沿って2030年までに50%の排出削減を達成することを目指し、South PoleはネスレのSBT目標の申請から承認まで支援した。
South Poleはグローバルインベントリーを基準とし、該当する地域、市場、事業単位レベルでロードマップを適用するツールを開発した。これにより、市場や事業単位で、排出削減目標の達成に沿った特定のベースラインと削減の道筋を細かく調整することが可能となった。
また、ネスレの個々のブランドともに連携し、グループ全体のクライメイトニュートラルへの道のりを支援した。
ネスレは、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を半減し、2050年までにネット・ゼロを達成することを表明した。このコミットメントには、持続可能な原材料の調達、大気中の炭素除去、商品ポートフォリオの変革などが含まれ、ネット・ゼロのロードマップとして公開された。
ネット・ゼロ・ロードマップ策定の一環として、 South Poleは、バリュー・チェーン全体に沿った、世界中の全ての削減プロ ジェクトの評価を行った。これには、ネスレが2030年の目標を達成するためのGHG排出削減可能量、関連コスト、スケーラビリティの推定も含まれていた。
ネット・ゼロ・ロードマップ策定の一環として、 South Poleは、バリュー・チェーン全体に沿った、世界中の全ての削減プロ ジェクトの評価を行った。これには、ネスレが2030年の目標を達成するためのGHG排出削減可能量、関連コスト、スケーラビリティの推定も含まれていた。
ネスレはまた、SBTとネット・ゼロの目標を達成するための革新的な方法においても当社と協力した。例えば、South Poleはネスレ独自のカーボンプロジェクトのアイデアを検証するだけでなく、自然ベースのプロジェクトから得られる高品質のカーボンクレジットを通じて、プロジェクト継続のための資金を提供している。また、クライメイト・ニュートラルを目指すネスレの個々のブランドについても、ブランドバリューやストーリーに適したカーボン・クレジットの調達を支援しています。
また、ネスレの本業の枠を超えた気候変動対策への投資を促進し、規模を拡大するための革新的なプラットフォームやファンドの組成のアイデアについても話し合いを続けている。
最後に、ネスレのグローバル・リーダーとしての地位と具体的な行動についての発信にもSouth Poleが貢献した。ネスレのネット・ゼロのロードマップは同業他社、競合他社、ネスレのバリューチェーン内のブランドを刺激するコミュニケーションツールともなった。
ネスレS.A.は、スイスのヴォー州ヴェヴェイに本社を持つスイスの多国籍食品・飲料企業である。2014年以降、売上高や複数の指標上で世界最大の食品・飲料会社とした実績を有する。
「South Poleのチームは、技術的な知識、(当社)セクターへの深い理解、そして科学的知見を目標達成のための実行可能なアクションに変えられる卓越した能力で、当社の炭素戦略の策定を支援してくれました。」
ネスレのネット・ゼロロードマップをダウンロード