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2023年4月26日 - 世界的な気候変動プロジェクト開発およびソリューションを提供するSouth Pole（以下、「当社」）と三菱商事株式会社が運営し、株式会社商船三井、ボストン・コンサルティング・グループ (BCG)、LGT、Swiss Re、UBSがバイヤーとして参加するNextGen CDR Facility (以下、「NextGen」) はこの度、193,125トンのCDRクレジットの長期購入契約を締結いたしました。大気中の二酸化炭素除去に関する革新的な技術（以下、「技術系CDR」）から成る本プロジェクトは、1000年以上の二酸化炭素貯留能力を持つ 世界最大の多様なポートフォリオを構成することとなります。
ICROAが承認する認証基準に基づいて登録される技術系CDRクレジットには、米テキサス州の1PointFive社が開発する 世界最大規模のDirect Air Capture and Storage (DACS) プロジェクトが含まれ、本格稼働後は年間最大50万トンの二酸化炭素が除去および永久に貯留されることとなります。NextGenは、Summit Carbon Solutions社が米国中西部で実施している世界最大のバイオマス炭素除去・貯留 (BiCRS)プロジェクトからも技術系CDRクレジットを購入し、年間900万トン以上の炭素を除去する予定です。またフィンランドの気候テック企業Carbo Culture社初の高技術バイオ炭プロジェクトから技術系CDRクレジットを購入します。同社は、2030年までに250万トンを除去および長期貯留できる高品質のバイオ炭を製造するために規模を拡大しています。
Carbon Engineering社と1PointFive社が共同で立案するCarbon Engineering社の技術を採用した初の大規模DACプラントの完成予想図 提供：1PointFive
NextGenのポートフォリオを構成するすべてのプロジェクトは、International Carbon Reduction and Offset Alliance (ICROA) が承認する基準に基づいて認証および検証されます。炭素除去におけるモニタリング、報告、検証（MRV）基準は、追加性があり測定可能かつ永続性のある高品質の技術系CDRクレジットのみ創出することを確実にするために不可欠なものです。
NextGenは、ICROAが承認する基準で認証された技術系CDRクレジットの買い手と売り手をつなぐことにより、市場拡大に必要な基盤を構築する役割を果たします。クレジットの平均目標価格をUS$200/トンに設定し、ポートフォリオによるリスク分散を可能にすることで、企業が技術系CDRクレジット市場にアクセスしやすくなる仕組みを構築します。
パートナーの施設から排出される二酸化炭素を回収および永久隔離施設に安全に輸送する 提供：Summit Carbon Solutions
NextGenに参加する企業は、BiCRS、DACS、バイオ炭をはじめとする多様な技術系CDRからなるグローバルなポートフォリオを構築することが可能になります。また技術系CDRクレジットを長期購入することで、技術を持つ企業が早急にプロジェクトを拡大する上で直面する課題に対処することができます。
2023年3月に発表された気候変動に関する政府間パネル（IPCC）の統合報告書では、産業革命前からの地球の気温上昇を1.5度以内に抑えるために必要なCDRの普及が世界的に「大幅に不足している」と強調されています*。気候変動の深刻な影響を回避するためには、2030年までの間に年間約10億トンのCDRを新たに追加する必要がありますが、市場はまだIPCCが求めるレベルに達していません。
この度のNextGenによる技術系CDRクレジットの購入量は、業界データソースであるCDR.FYIによると、これまでの同市場の全ての累計取引量の25%を占めています。長期貯留を行う大規模プロジェクトから技術系CDRクレジットを購入することで、今後数年間で大気中および生物起源のCO2を大量に除去することができ、同時にプロジェクトを拡大するために必要な資金を確保することができるようになります。これは2025年までに累計100万トンの技術系CDRクレジットの購入契約を締結するというNextGenの目標達成に向けた取り組みの始まりであり、気候変動に強いインパクトを与えることができます。ポートフォリオの詳細については、5月11日に米ニューヨーク市で開催されるCarbon Unboundカンファレンスで紹介されます。
2030年までに250万トンを除去し長期貯留するための高品質なバイオ炭を生産する施設の規模を拡大している 提供：CarboCulture
South Pole – Chairman of NextGen and Global Director of Tech Carbon Removals, Philip Moss
技術系CDRの市場規模を拡大するNextGenの取り組みは今回の購入によって大きく前進し、2025年までに100万トンの技術系CDRクレジットを購入する目標実現のための明確な道筋ができたことになります。これらの先行購入は、炭素除去の独立した認証を保証することで品質基準を確立するだけでなく、バイヤー各社のコミットメントにより、台頭する多くのCDRプロジェクトや歴史的排出を除去する技術への資金調達が可能になります。
三菱商事株式会社 – 常務執行役員 次世代エネルギー担当 齊藤 勝
CDRの普及は低・脱炭素社会実現の為に不可欠であり、今回、NextGenの設立とこれ迄の取組成果を発表できることを誇りに思います。今後もNextGenの更なる発展の為に当社の知見やネットワークを活かすと共に、持続可能な社会の実現に向け、イノベーションとコラボレーションによる低・脱炭素化に貢献して参ります。
株式会社商船三井 – 代表取締役社長 橋本 剛
CDRクレジットの購入を通じて先進的な技術系CDRを支援することで、気候変動問題への具体的な取組を着実に進めていることを大変嬉しく感じています。2050年までのネットゼロ目標を達成するためには、科学的根拠に基づいた排出量の削減を行うことが不可欠であり、当社にとっての最優先事項です。しかし、それはだけではもはや十分ではありません。私たちはCDRクレジットの購入を通して、自社のバリューチェーンを超えた気候変動対策を支援し、1.5度目標を実現できる可能性を高めていきます。そして、次世代を生きるすべての生命のために、人と社会と地球の持続可能な成長に貢献してまいります。
BCG – Chief Sustainability Officer, David Webb
大気中の二酸化炭素を恒久的かつ大規模に除去することはネットゼロおよびパリ協定を達成するために不可欠です。私たちはNextGenのアンカー・バイヤーとして、先進的な技術系CDRの普及に貢献できることを誇りに思います。本日の発表は革新的な気候変動技術の潜在能力を引き出すための大きな一歩となります。
LGT – Chairman, H.S.H. Prince Max von und zu Liechtenstein
今回のNextGenによる3つの革新的なプロジェクトからの技術系CDRクレジットの長期購入契約締結に関する発表はアンカー・バイヤーである私たちにとっても重要な第一歩です。私たちはCDRが気候目標を達成するための重要なソリューションの一つであると確信しています。拡張性のあるソリューションに対して協調的なアクションをとり、適切なプロジェクトへの投資を行っていくことで初めてネットゼロ目標が達成できると考えており、NextGenはまさにそのためのアプローチを私たちに提供するものです。
UBS – Chief Sustainability Officer, Michael Baldinger
本日の発表は技術系CDRの普及に向けた大きな一歩です。NextGenのアンカー・バイヤーとして市場に確実性を提供することは、UBSとして革新的な気候変動技術の発展に貢献するための一つの方法です。私たちは2050年までのネットゼロ達成に必要なソリューションと連携して気候変動対策に取り組んでいくことを約束致します。
1PointFive – President and General Manager, Michael Avery
大規模DACはネットゼロ達成のために必須の技術です。また世界の低脱炭素目標を達成するために高品質な技術系CDRクレジットは必要不可欠であると私たちは確信しています。
Carbo Culture – Director of Carbon Markets, Tim Preisenhammer
数年前、CDRクレジットを購入している企業は極めて限定的でした。今回のNextGenによる購入契約締結は高品質な技術系CDRが市場に定着するための明確なシグナルであり、技術系CDR産業発展のためのCatalystとなるでしょう。
Carbo Culture – CEO, Henrietta Moon
今、世界はネットゼロを達成するために、二酸化炭素の排出削減と除去の必要性に気付き始めています。NextGenは今必要とされる低脱炭素領域での信頼できるオフテイク契約による波及的な効果を示す素晴らしい事例です。
Summit Carbon Solutions – Chief Commercial Officer, Jim Pirolli
世界のカーボンクレジット市場には大きな変革が起きており、カーボンクレジットの需要家は、将来の気候変動対策に繋がる革新的なプロジェクトの高品質な技術系CDR購入を好むようになってきています。今回の技術系CDR購入を通じて、NextGenとそのバイヤーは技術系CDRの大規模実装に向け大きな一歩を踏み出しました。私たちのプロジェクトが今回の歴史的な世界最大規模の技術系CDR取引の1つに選ばれたことを嬉しく思います。
Summit Carbon Solutions – CEO, Lee Blank
今回の発表はSummit Carbon Solutionsにとって、とても歴史的なことです。ボランタリークレジット市場は非常に重要なツールで、同市場を通じてCDRプロジェクトに資金提供を行うことで、GHG排出量削減および長期的な環境改善に寄与することができます。NextGenのような取り組みは、Summit Carbon Solutionsのように大規模且つ革新的なプロジェクト成功のためにとても重要です。
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【メディア連絡先】
Isabel Hagbrink, Director of Communications, South Pole - i.hagbrink@southpole.com
注記：
NextGenの特徴
NextGen CDR Facilityについて
NextGen CDR Facility (NextGen) は大規模な技術的炭素除去の可能性を引き出すために、技術に関する専門知識とグローバルネットワークを結集し、2025年までに100万トン以上の技術系CDRクレジットを購入するという野心的な目標を持っています。NextGenは、South PoleがFirst Movers Coalition (FMC) のパートナーとして承認されたことを受けて設立され、世界経済フォーラムが主導するCEO気候リーダーズ同盟のCarbon Removal Climate Action Groupから強い影響を受けています。BiCRS、DACS、バイオ炭、enhanced weathering、高温バイオ炭、product mineralizationなど、規模拡大の可能性が大きい様々な技術的アプローチを用いたプロジェクトから技術系CDRクレジットを購入してまいります。
NextGenは世界的な気候変動プロジェクト開発およびソリューションを提供するSouth Poleと三菱商事株式会社が運営しており、株式会社商船三井、ボストン・コンサルティング・グループ、LGT、Swiss Re、UBSがバイヤーとして参画しています。
