安全な水の提供により農村地域の健康を改善
カンボジアの農村部では、人口の3分の1が安全な飲料水へのアクセスがなく、川や池、沼地の汚染された水を飲むしか手段がない。微生物学的に安全な飲料水へのアクセスが十分でない状況により、10億人以上の人々の健康と幸福が絶えず脅かされている。このような状況を改善するのが、分散型水処理システムである。
安全な飲料水の提供により地域コミュニティの健康を改善
雇用創出により地域経済を活性化
燃料消費をなくしたことにより大幅な排出量削減を実現
当プロジェクトの目的は、農村部の水処理施設で温室効果ガスの排出量が少ない浄水技術を利用することにより、家庭や地域社会が清潔で安全な飲料水にアクセスできるようにすること。このプロジェクトにより、現地の人々が調達した水を浄化して地元に配給することで生計を立てることができるようなり、現在では150社以上の企業が、22万人以上に清潔かつ安価な水を提供している。
昔、若かった頃、村の近くの山にはたくさんの木が生えていたのを覚えています。今はもう木はほとんどなくなり、薪を集めるのが一苦労です。
カンボジア・クリーン・ウォーター・プロジェクト, コミュニティメンバー, Cambodia Clean Water Project
私は妻と一緒に飲料水を製造しています。この仕事のおかげで家族を養い、長男を大学に行かせるだけの収入を得ています。
プリン・ダー, アロン・タミー村, Along Tamey village
水を沸騰して浄化させるための薪や化石燃料の購入または収集は、カンボジアの最も貧困な世帯やコミュニティにとって大きな金銭的負担となる。当プロジェクトは、この問題に2つの側面から取り組んでいる。零細起業家に雇用創出と家族への支援を提供すると同時に、水を沸かすために必要な燃料費の削減する。また、当プロジェクトを実施することで地元の人々、特に子どもたちの健康状態を改善し、お湯を沸かすための薪の必要性によって引き起こされる森林破壊も大幅に回避できる。
以前は池の水を汲んでいましたが、子供たちはよくお腹を壊したり、下痢をしたりしました。
- カンボジア・クリーン・ウォーター・プロジェクト, コミュニティ・メンバー, Cambodia Clean Water Project
このプロジェクトはカンボジアの田舎にある小さな孤立した村々に清潔な飲料水を提供するために、地元NGOと国際NGOのチームによって立ち上げられ、全国に210台の低炭素浄水装置を設置することに挑んだ。この地域は、水道設備や衛生設備が設置される見通しのない地域であった。
このプロジェクトは村の住民がきれいな水を購入できるよう、製造コストを可能な限り低くするように配慮されている。例えば太陽エネルギーを利用し紫外線消毒を行った。しかし、なによりもプロジェクトの成功は、装置の現地生産に掛かった。現地で生産することで、流通コストをほとんどゼロに抑えることができた。また、プロジェクトにマイクロファイナンスの仕組みを採用し、現地家庭がボトル入りのきれいな水を売って小さな収入が得られる方法を提供した。これにより、現地の人々は極度の貧困から抜け出し、装置のわずかな維持費用も自分たちで支払うことができるようになる。
プロジェクトは、世界のリーディングカーボンクレジット認証基準、ゴールド・スタンダードによる5度目の検証に成功した。プロジェクトの効果は監視され、監査の結果179台の浄水装置の設置と、毎月1,600人以上の人々にきれいな水を供給できていることが証明された。
2022年までに、プロジェクトはカンボジアの24の州のうち19の州で、農村部の貧困家庭にきれいな水を供給できることを目指している。